千里ニュータウン

大学院の授業で、スゴイ勉強になる…というか面白いのがあります。


都市プランニング・システム論という、豊中市をフィールドにして都市計画や住宅政策について学び、豊中市に位置する全国でも有数の有名なNT「千里NT」の抱える課題を把握し、解決のための計画を考えるという内容です。

半期しかない授業なんですが、統計調査を整理し、実際にNTを歩いてみたり、NTで活動される方にお話を聞き、行政の計画書を読み…そして今日は豊中市でNTに関わる課の職員さんからお話を聞いてきました。


先日千里NTを街歩きして思ったのは、
(1)空間にとてもゆとりを持って造られているということ
(2)生活圏がとても計画的に作られていること
(3)緑地が共有化されていること


緑地の多さや(1)は特にこのNTの魅力だと思うのですが、それが崩れつつあるところが千里NTの迎えている大きな問題点だと感じました。団地も近隣センター(住区ごとの複合施設)もどこも老朽化が進み、建替えが求められているのですが、いざ建替えをする際に地権者の負担減少のために高度利用し、土地を売却することで負担減少に繫げるというモデルがどこまで通用するのだろう…空間を犠牲にして資産価値が下がらないのか…とかとか色々考えます。

ちなみにこの前のまちあるきの写真

手前のイスや机で住民同士で話するんかなぁとか想像

いたる所にいた動物の置物!おそらく…キリン?

駅前マンション。ここまで大きいものはできないと思うけど、こんなボリュームのあるものが住宅地の中に乱立して、今のような良い住環境が維持されるんかなぁ…?




今日の話でもURによる公団住宅や、大阪府の府営住宅が多く、地権者とそれら事業主の間で再建に関する合意がなされ、市の関与がしにくい状況にあるということ、だからこそ住民間でどのような住宅地にすべきかの合意・地区計画を立てることが、環境を継承していくキーだと感じました。

うーん。魅力ある住宅地を維持・管理していく手法「HOA(homeowners association)」はアメリカでは一般的らしいですが、こういった考え方も勉強したいな。

齊藤広子先生の『住環境マネジメント』が面白そうだし、読んでみよう。
そして何より今日もらった大量の資料を読んでいこう。

住環境マネジメント―住宅地の価値をつくる

住環境マネジメント―住宅地の価値をつくる